2012年4月21日土曜日

原発推進論



原発再稼働に関して、脱原発を望む自分としては、どうにもこうにも歯がゆいのが、長期的視野で脱原発をめざすとやら、なにか根本的に、調子のいい言い逃れにしか感じないので、ここはあえて、むしろ原発推進論を展開しつつ、現時点での原発再稼働のナンセンスさを、考えてみたいと思います。


政治というのは悪政の選択を迫られる状況というのが、ある場合があると思う。失政は政治の基本だからだ。複合的な構造の産み出す生活に関わる利益は、『現状』と『変化(行動)』の選択になる場合のことで、『現状』は過去(これまで)『変化(行動)』は未来(これから)。この2つの選択を迫られる場合、基本どちらを選んでも悪政の汚名を被る覚悟が必要になる。今の日本の場合、前者(現状の構造の維持)を選択すれば、根本解決を先送りにする悪政と言われ、後者、抜本的な構造の変換を選択すれば、目先の(これまでの)生活の安定が崩れる悪政と言われる。今の政府が言う言い方は悪政の汚名を恐れ、現状を維持しながら、変換に向かうという、2つの選択そのものを避ける方策だが、選択をしない政治は政治では無いのだと思う。脱原発を目指すのなら、『まず無くす』、でどうするか?全力を上げ、ストーリーを考える。逆に原発を柱に経済成長を維持するなら、『まず廃止はしない』、だからこそ安全性に全力を注ぐ。今の政治決断すらしないなしくずしのやり方は欺瞞にしか見えない。まず、まず2つのいづれかを選択すべき。でなければどちらも成就できない。悪政は政治だけど、今、日本政府がしていることは、悪政ですらない。政治決断をしないと言うのだから。もし、はっきりと原発の維持を選択するなら、安全性だけでなく、福島事故の収束、被害の保証、核燃料棒の最終処理に、明確なビジョンとストーリーを示さざるを得ない。もし『原発を無くす』を選択するのであっても、ハッキリ選択すれば、同様に現在の事故の収束、被害の保証、現存核燃料棒の廃棄のプラン、経済構造の再構築のビジョンを示さねばならない。そういう設計図を示せない(示す気がない)故に選択すらしない状況でなしくずしをしている。
政治的判断で、そういう決断や意思の持てない国は、原発所有したらダメだと思う。

おれが本気で原発を推進する政治家なら、まず『全ての放射線被害を明確』にする(隠蔽や数値の底上げなんかしない)し、こう明言する。「事故や、失敗のない事業は存在しない、だからこそ、今回の事故を契機により完全で安全な原発社会を構築するチャンスなんです!」国民全員の納得いくまで精査し、(もちろん使用済燃料処理方が確定するまでは再稼働なんかしない)被害も過剰なまでに想定、検証し、避難が必要であれば、超法規的措置で、避難させるし、徹底的に原発や放射能と向き合う。だからこぞ、原発を推進する考え方を基礎を築けると思う。また、推進を的確に進めるためにこそ、誤摩化しを排除し、危険度の高い、原発は廃炉にし、設置場所を含めた、事故対応の具体的なプランも再構築する。今のこの国の状態は「責任は負う気は無いし、そんな完全な原発構造を確立する自信なんか無いから、とりあえず『脱原発の方向(自信無いから)』で、思いますが、もちろんすぐに無くすほど、経済的なプランも無いので、とりあえず、動かしちゃおうかな~」みたいにしか見えない。そんないいかげんな製品(原発)が商品として、世界に売れるとは思えない。つまり、このままでは、『完全なる原発依存社会』すら成立しない。事業として金儲けすらできないと思われる。日本列島が原発のショールームなら、完璧なショールルーム創れや!危険地帯からの避難も含め、放射線対応でも世界一をめざせや!こんなズタボロのショールルーム見て、原発買うような、おめでたい(阿呆)な国なんか無いぜ!と思います。

おれが原発に反対の最大の理由は、誰も原発を本気で推進する気が無いのに、なしくづしの誤摩化しでインチキ商売を継続しようとしてるからです。それは、原発事業の推進ではない。本気で推進するなら、反対派より過剰に放射線被害に対応するはずだからです。それが商魂というもんだ!本気で金儲けやれや!w

本気で原発事業推進するのも、本気で脱原発を実行するのも、実はやることは同じと言う話でした。

どんな壮大な規模のものであれ、小さなものであれ、人間が使う道具として売る以上、その使う人、購入する人への配慮が無ければ、商品として売れない。当たり前のことを当たり前に考えれなければ、金のなる木も存在できない。原発事業を本気で推進するのなら、原発反対派以上に、311以降、かつての安全神話が崩れたことを真摯に受け止め、放射線被害の全容究明に努めるのが筋だし、利益維持に繋がるのだ。ユーザーケアです。
やっぱ、意図的に対立軸を造り出して、本当にやらねばならない事を誤摩化して、政府のずさんな責任逃れを正当化してるだけなんでは?

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